意思伝達装置

 「声を出すことができない、字を書くことが難しい」といった重度の障害をお持ちの方が、額の動きやまばたきといった身体のわずかな動きでスイッチを操作し、文字を書き綴ったり、伝えたい言葉を選択する方法で、他者とのコミュニケーションを可能にする福祉機器のことです。パソコンを活用した機種や、携帯しやすいコンパクトな機種など、さまざまなタイプがあり、2種類の製品群(名称)に大別されています。

〈文字等走査入力方式〉
意思伝達機能を有するソフトウェアが組み込まれた専用機器
〈生体現象方式〉
生体信号の検出装置と解析装置にて構成されるもの。

意思伝達装置は、何を使って操作するの?

 一般的に、意思伝達装置の操作では、パソコンのキーボードやマウスを使うことなく操作していきます。では、何を使って操作していくのかをご紹介したいと思います。意思伝達装置は、様々な特性を持った「スイッチ」を反応させて操作していきます。意思伝達装置は、使用される方にとって無理のない入力装置(スイッチ)を用いて操作していく事が出来ます。ここでは、様々なタイプのスイッチの一例をご紹介します。

〈入力装置〉
次の9種類が一般的な入力装置(スイッチ)として使用されています。

遠隔制御装置

 スイッチやパソコンのアプリケーションで操作する学習型赤外線リモコンで、家電製品を操作することができます。

〈なんでもIR2〉
伝の心やオペレートナビで制御可能な学習型赤外線リモコンです。

固定台

 入力装置や意思伝達装置本体を本人が操作しやすい位置に固定するための道具です。

〈固定台〉
固定台は、意思伝達装置の本体(画面)を本人が見やすいように固定するための台です。

透明文字盤

 口頭や筆談によるコミュニケーションが取りづらくなった場合、意思疎通を図る手段の一つとして「透明文字盤」を使用する方法があります。電気を使わない方法であるため、災害時や意思伝達装置に不具合が生じた際、大いに役立ちます。

〈透明文字盤〉
アクリル板などの透明な板に、「はい」「いいえ」や「50音」、また「用事表」等を書いて、介護者が透明文字盤を「指さし」したり、当事者と介護者が透明文字盤を介して視線を合わせながら、意思疎通を図る道具です。